ホーム > 特集ページ > SDGs(持続可能な開発目標)とは?17の目標を項目ごとに説明【2021年版】
SDGsとは?
取り組みたいけど何をしたらいいの?
最近よく聞く
「SDGs」
という言葉。
聞いたことはあるけど何なのかはよく知らないと言う人が多いのではないでしょうか。
このページではSDGsとは何かをわかりやすく説明し、世界で起こっている問題の事例をもとに、SDGsが掲げる17つの目標を項目ごとに紹介していきます。
17項目と数が多いので長文になりますが、このページを読むと、「SDGs」について理解していただけると思います。
SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、
2015年から2030年までに達成するべきである、と定められた国際社会共通の目標です。
とても難しい響きではありますが、
簡単に言うと、
みんなでこれらのことを意識して、世界を変えよう!
明るい未来を実現していこう!ということです。
前回の2000年から2015年はMDGsという、また違った目標が設定されていました。
しかし、その内容は発展国を先進国が支援する内容が多くであり、地域によって、発展に偏りがあったことが問題点として浮上しました。
そこで今回は、先進国と途上国が共に協力し、全員が誰一人取り残さない。
できることに限りはあるが、みんなが同じ目標に向かい、協力しあって世界を変えていこう!
という考えの元で、目標が構成されました。
SDGs(持続可能な開発目標)の達成のために
17つの大きな目標
が制定されています。
さらに、それを細分化し、
169のターゲット
を制定することで、行動方針を具体化しました。
出典:朝日新聞社デジタル(https://miraimedia.asahi.com/sdgs-description/)
ここでは、今世界で起こっている問題と、その問題を解決するための目標を項目ごとに紹介していきます。
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
全世界で7億人を越える人が貧困状態で生活していると言われています。
貧困問題の多くは、発展途上国で起こっていますが、先進国でも起こっています。
原因は、失業や怪我、教育問題、内戦など、他にも様々です。
貧困問題は、私たち一人ひとりが考えなければいけない問題になっています。
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
全世界で8億人が飢えに苦しんでいると言われています。
飢餓の原因は食糧不足ではなく、食べられるものが捨てられる=食品ロスが原因だと考られているため、
”もったいない”の精神で、食品の無駄や食べ残しを減らす工夫が必要だと言われています。
あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
世界人口のおよそ半分の人が、健康診断や予防接種・けがの治療などの、人々の健康増進・予防・治療等の基礎的な医療保健サービスを受けられていないのが現状です。
それにより、アフリカなどでは、大人になれない子供が増えており、5秒に1人の子供が命を落としているといわれています。
人種、宗教、政治信条によって“差別されることのない健康”について考えることが必要とされています。
ここでの健康とは、肉体的、精神的、そして社会的にも、すべてが満たされている状態にあることをいいます。
すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
世界では、子供の死亡や早すぎる妊娠、貧困問題など、様々な問題を抱えており、この問題を、質の高い教育により解決しようと考えられています。
ですが現在、質の高い教育を世界中の人たちが平等に受けることができていないのが現状です。
原因は、学校が近くにない、お金がない、戦争など、様々な原因があります。
また、貧困や飢餓問題など、目の前の“生きるため”の課題解決が優先されて取り組まれていることも挙げられます。
SDGsの教育問題として、周りの人や次世代に伝えていくことが必要とされています。
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
ジェンダー:性別に基づいて社会的に要求される役割などの社会的性差をさす言葉。
エンパワーメント:個人や集団が本来持っている潜在能力を引き出し、湧き出させること。
ジェンダーの不平等により生じる問題は、雇用機会や賃金の不平等や、未成年の早期婚、児童婚男女の教育格差など、様々な問題があります。
これらの問題は日本でも起こっており、特に、賃金の不平等は24.5%と、OECD加盟国の中では2番目に高いとされています。
一人ひとりが男女不平等による問題を知り理解を深めていくことが重要とされています。
OECD:経済協力開発機構の略語で34カ国の先進諸国が加盟している。
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
ここで定義される安全な水とは、WHOが定めた「1km以内に一人1日20リットルの水を確保できる場所があること」です。
ですが、約9億人以上もの人が、その条件を満たせていないのが現状です。
不衛生なトイレや汚れた水は、コレラや赤痢などの感染症の原因にも大きく影響しています。
日頃から節水を心がけることが、私たちができる行動の1つだと考えられています。
すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
世界中の28億人以上が、人体や環境に被害を及ぼすとされる燃料を使用せざるを得ない状態にあり、そのことによる死亡者は約400万人を超えています。
また、その燃料から発生する二酸化炭素が、地球温暖化の原因にも繋がっています。
節電を心がけるなど、エネルギーを大切に使うことが必要とされています。
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する
現在、世界の失業率は年間約340万人以上で、その総数は2憶人以上といわれています。
原因は雇用の枠に対する労働者の需要量と供給量が見合っていないことにあり、
雇用量が減ると、貧困者が増え、飢餓問題が起こるといった負の連鎖が発生します。
この問題に対し、まずは、“働きがい”というところに焦点を当てて考える必要があるとされています。
ディーセント・ワーク:権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事のこと(https://www.ilo.org/tokyo/about-ilo/decent-work/lang–ja/index.htm)
強靭(レジリエント)なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
発展途上国では電気やガス、水道などの基本のインフラが未発達であることから、生活水準低下や持続可能な技術革新の開発が進まないという問題が起きています。
また、“近年増加している自然災害に直面した時に、いち早く元の状態に回復できるレジリエントなインフラ構築が世界的に求められています。
インフラを整備することは、「SDGsの目標を実現するために欠かせない基盤を作ること」にもつながっています。
その基盤に色々な政策や取り組みを積み重ねることができ、結果様々な発展に繋げることができると考えられています。
強靱:強くしなやかで粘りあること。
レジリエント:速やかに元の状態に回復する能力・性質。
国内および国家間の格差を是正する
現在、世界で最も裕福な8人が世界の貧しい人々、約36億人に匹敵する資産を持っていると言われており、格差が大きすぎることが問題になっています。
ここでは、豊かな人がさらに豊かになる仕組みではなく、持続可能な社会の為の経済成長の実現を目指していけるような社会をつくっていくことが重要です。
障がい者や先住民に対する差別など、平等について広く考える必要があるとされています。
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭(レジリエント)かつ持続可能にする
世界人口のおよそ半分が都市部に暮らしているといわれています。
この状態で大きな自然災害が起きると、水道やガス・電気などのインフラが途絶え、多くの人に被害が及ぶことが予想されます。
また、貧富の差が拡大し、“スラム”という犯罪の危険性が高い地域が生まれる傾向にあるとされています。
これらのことから、“強靭(レジリエント)な都市”が必要とされています。
強靱:強くしなやかで粘りあること。
レジリエント:速やかに元の状態に回復する能力・性質。
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
今から30年足らずで人口は96億人にまで進むと考えられており、今まで通りにものを作り続ければ資源はいつか枯渇してしまう可能性が高まります。
この問題を解決するために、天然資源の持続可能な管理と効率的利用、食糧廃棄や廃棄物の削減、化学物質などの放出の低減が求められています。
中でも、食糧廃棄が問題として大きく取り上げられており、余分に購入し過ぎない、食材は使い切る、調理されたものはできる限り残さない、といった事に注意する必要があるとされています。
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
現在地球温暖化は確実に進行しており、このまま進めば、海面の上昇や健康被害など、様々な問題が発生します。
これらの被害を防ぐために、温暖化の危険ライン=これ以上気温を上げないための世界共通での長期目標がCOP21でのパリ協定で定められています。
その目標とは、「世界的な平均気温上昇を産業革命前(1880年)に比べて2℃以下に抑えることを目標とし、1.5℃以下に抑制することを努力目標とする」です。
省エネの製品を選ぶことや、交通機関を利用するなど、小さなことから取り組むことが大切であると考えられています。
COP21:第21回気候変動枠組条約締約国会議(Conference of Parties)
パリ協定:2020年以降の地球温暖化対策に関する国際的枠組みを定めた協定のこと。
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
現在、世界の魚の約33%が獲られすぎており、1970年と比べ、当時の49%の生物しかいないと考えられています。
また、ここ最近の50年間で、毎年800万トン以上のプラスチックが海に流出しているといわれています。
これにより、海洋の生態系の変化・環境悪化・観光や漁業の衰退などの被害が懸念されています。
この問題を解決するため、一人一人がこの事実を受け止め改善を行動に移し、海の豊かさを守っていく必要があるとされています。
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
毎年、東京都面積の約59個分の森林が失われており、生物多様性のバランスを壊していることが問題となっています。
また、13分に1種のペースで生物が絶滅していると考えられています。
この事実を知り、環境に優しい取り組みや行動を行うことが必要とされています。
生物多様性:地球上に生きる動植物、自然全てのつながりのこと
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
世界では、約4人に1人の子供たちが、紛争や災害により苦しんでおり、十分な医療機関がなく、毎年600万人以上の子ども達が死亡しているという問題があります。
また、人種、身体的違いにる差別など、様々な差別も問題とされています。
価値感の違いを否定するのではなく、多様性をお互いに受け入れ合うことが必要とされています。
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
最後にこの目標17が設定された背景として、「SDGsの目標1〜16を達成するためには世界中の国の政府、国民、技術者、地域、企業といった、ありとあらゆる人たち全員が結束してSDGsに取り組むことが必要だから」と考えられており、この目標が設定されました。
また、この目標を達成する取り組みとして、“ESG投資”というものが注目されています。
ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の3つの単語の頭文字をとった言葉です。
業績や財務情報だけで投資判断をするのではなく、環境問題の改善への取り組み・地域社会への貢献・従業員への配慮など、「非財務情報」にも重点を置いて判断し、良い会社に投資をしていくのがESG投資です。
最近では世界の投資の基準になるとも言われています。
SDGsの目標は、1つ1つが独立しているようにも見えますが、実は密接に関わり合っており、1つの目標の実現が、別の目標へもポジティブな影響を与えることができます。
私たち一人ひとりにも、できることは数多くあります。
世界で起きている問題を知り、私たちができる取り組みを考え、行動に移すことが、SDGsの目標実現に繋がっています。
参考リンク
JAPAN SDGs Action Platform | 外務省
SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン国連広報センター
当社でもSDGs17の目標中で取り組める項目がないか考え、当社なりの解釈を元に、17の目標の内8個に取り組んでいます。
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