ホーム > ジャーナル > 「絵符(エフ)大解剖!~現場にあるアイツ何奴」
スタッフジャーナル第1弾を公開したのもつかの間。こりずに第2弾出します。
東大阪のバリバリの中小工場だからこそ生まれた工場目線の文具。
文具?と私の頭の中は「?」だらけです。
スタッフジャーナル第二弾
「エフPITA」開発の裏側について開発担当の「イセエビ」にインタビューしました。
ゲンは謎に包まれながらエビ?と共に絵符の謎に迫る…
ゲン:のっけからいきなり聞くけど、そもそもエフピタってどんな商品?
イセエビ:「絵符」が「ピッタリ」入る商品です。
(エビについて一言もツッコミがなかった…。)
ゲン: そもそも「絵符」って何なん?って方のために、簡単に教えてくれるかな?
イセエビ:絵符は金属の材料など原材料に、ロットナンバーや製造日等がわかるように付けられている札です。実際見たほうが早いかも。移動しましょー
あれです。こんな感じでついてます。
とりあえず絵符を確認しに現場に向かう二人
ゲン:ほほう。こいつが噂の「絵符」ね…
イセエビ:絵符は製品を梱包しているロープや袋などに結び付けられ、破れ防止のシールと針金によって切れないようになっています。引っ張っても取れないんですよ。
ゲン:(※引っ張る)ほんまや。取れへんね。
ゲンの力でも取れない針金
イセエビ:絵符のサイズは様々なんですが、ここにあるのはA4用紙を三つ折りにしたぐらいのサイズです。
ゲン:なるほどね。それがピッタリ入るから「エフピタ」なんやね?
イセエビ:そう。シンプルイズベストなんです。漢字の絵符は業界の方であれば分かると思うけど一般の方にも親しみやすいようにするためにカタカナ表記にしました。イメージでいくと、○○製薬の「○どぬーる」「アッ○ノン」など。
ゲン:製品の効果がイメージしやすい名前は覚えてもらいやすいもんね。
、、、けどそれに絵符自体は普段の生活で聞き慣れない言葉で、めちゃめちゃニッチな所に目をつけたね。
イセエビ:そうですね。この商品は工場を持つメーカーだからこそ分かる現場の問題。それを解決する商品。という所からできた商品なんです。
ゲン:でもさ、、、うちの会社って金属継手がメインやん、なんでこんな商品作ったんやと!
イセエビ:そうです。180度方向転換して、まさかの文具。
ゲン:文具?!
まさかの別ジャンル商品に驚きを隠せないゲン
イセエビ:最初から文具を作ろうと思ってたわけではなかったんですよ!
ゲン:なんで文具になったの?何がきっかけ?
イセエビ:きっかけは、さっき見に行ったグループ会社の現場で、絵符の管理に問題が起こっていたことが始まりです。絵符が現場で使用されていく中で、材料に挟まれてクシャクシャになって破れたり、直置きのままで無くなったりする事が頻繁に起こっていて、在庫管理にも影響が出ていました。
現場では様々な絵符の問題が起きていた
ゲン:在庫管理に影響って、どんなことがあったん?
イセエビ:例えば、1ロット10本の棒の場合だと、お客様が、10本買ってくれれば特に問題ないのですが、10本中7本だけ買った際に、絵符も付いたまま納品されてしまい、そうすると、残り3本には絵符がついていない状態になります。後から見たときに「あれ、この商品はなんだ?」となってしまったことが多くあったそうです。
見た目ではサイズの判断がつきにくい金属棒材のロット管理が困難に
ゲン:へー
イセエビ:そこで、現場の人たちがこの問題を解決しようと、材料を鉄棚で管理していることに着目し、マグネットの付いたファイルに絵符を入れて、棚に貼り付けて管理するアイデアを考案しました。最初の段階では、100円ショップで購入できるマグネット付きのA4クリアファイルを工夫することで解決しようとしていました。絵符のサイズは特徴的なので、それに合わせるように、A4マグネットファイルを横に三分割してサイズを変えて使用してたんですが、そもそも真ん中部分は両方がベロっと開いて使えないとか、致命的な問題もあったそうです。
手作りのファイルでは上手く管理ができなかった
ゲン:手作り感がすごいな。
イセエビ:そんな困りごとがあって「何かできないかな?ピッタリ合うもの作っちゃえ!」の発想からこの商品が生まれました。
ゲン:なるほど!それで文具にたどり着いたんか。そういうのも聞かんと分からんもんやね~
ゲン:エフピタの特徴について、聞きたいことを何点か質問!
まず商品の特徴として
①絵符がぴったり入るサイズ
②裏全面マグネット
③左右開き方の違う2タイプ
と3つあるけどまず①のサイズについて教えてもらえる?
イセエビ:この商品で、一番こだわったのはサイズです。絵符がピッタリ入るサイズ、それが「封筒長形3号」でした。また、このサイズの同じクリアファイルがあって、それがよく売れてたんです。絵符がピッタリ入るだけじゃなくって、このサイズ感というのは、一般的にも人気があるんじゃないかいう裏付けもあり、絵符サイズこと、封筒長形3号サイズで進めました。
絵符にぴったりと収まるサイズ「封筒長形3号サイズ」
ゲン:紙で使うのって、A4サイズが一番多いから、需要があるかと思ったけどそうじゃなかったと?
イセエビ:そうですね。このサイズは、コンサートチケットを折れずに渡せたり、管理するのに使うというのが売れている理由の一つみたいです。チケット一枚をA4で送るとかよりもやっぱり封筒サイズで送れると便利ですよね。
ゲン:確かにちょっとした小さい小物とかを挟むのには便利やし、本当にいい感じよな。あとはマグネットを全面にした理由っていうのは?
イセエビ:試作で使ったマグネットのクリアファイルは、マグネットが縦二本だけしかなくって、棚の形状によっては、貼りたい所に貼れないと…。なので、裏全面マグネットにすれば好きな所に貼れて、しっかり固定されていい感じだったんですね。
ゲン:そして左右開き方の違う2タイプについて
色もライムグリーンとオレンジのあえて2色展開した理由は?
イセエビ:2色展開にしたのは、実物は白一色で開き方の見分けがつきにくいというところからでした。右と左開き2種類あることがはっきりとわかるようにしたかったんで、パッケージをこの2色にしました。
ライムグリーンの右開きとオレンジの左開きの2種類
ゲン:個人的には好きな色で見やすいかなと。服とかでも、この2色があるデザインはついつい見てしまうな。
イセエビ:やっぱりかわいいですよね。この色にしてよかった^^
売り場に置いた時に、お客さんが右と左を色で選びやすいように意識しました。「右が欲しいな。あ、この前グリーン買ったから今回もグリーン買えばいいんやな。」と買い間違いを防ぐアイデアにもなっています。開発した私自身も右と左が説明書きだけでは、これ正直間違えます笑
ゲン:間違えるんかい!!
ただ、正直ね初め見た感じ100均とかで売ってそうな印象を受けてたんやけど…違うポイントは分かってきた気がする。
思わずツッコミをいれるゲン、とぼけるイセエビ
イセエビ:こだわって作ったので、伝わって嬉しいです。商品としては、開発のきっかけとなった原点である工場の方に実際使ってもらって、現場での書類管理がしやすくなってくれるのが一番です。もちろん、工場以外でも家とか違う場所でも使ってもらえれば開発担当者としてはいいなと思っています。
工場のニッチな問題に目をつけてできた「エフPITA」。ただの収納ファイルかと思いきや、そこにはたくさんのアイデアが詰まっていました。個人的には工場以外のオフィス・家庭内でも用途とニーズがあるんじゃないかなと。まだまだ可能性は無限大だな…。
この記事を書いたのは
ゲン
スキンヘッドがトレードマークのスーパーセールス。
スキンヘッドの見た目とうらはらに、社内でいちばん優しい2児の父。